ドラムで手足がバラバラに動かせない!

ドラムをやっていて、手足がバラバラに動かせない、つられる。
ゆっくりだとできるのに、速くすると出来ない。

どうすればいいんだ?

という質問は大昔から絶え間なく聞かれる悩みの一つです。

これを題材に、上達とそれにまつわる勘違い、
そして克服の仕方について考えてみましょう。

今回は実際に読者の方から頂いた質問メールと
その回答を載せてみたいと思います。

実際、この所、直メールでのご質問も増えて来てるんです。
熱心な方々とのやりとりはこちらもとてもためになります。

一部、何を勘違いしているのか
「教わって当然、さあ教えやがれ」という
愉快な態度の方もいらっしゃるのですが・・・

おっと余談にそれるところでした(^^;)
「ドラムで手足をバラバラに動かすには?」というのが本題でしたね。

では、さっそくまいりましょう。

ご質問

以下が、メールで頂いたご質問の全文です。

(毎度ながら、質問されたご本人には了解を得てあります)

ドラムが上達しないちょっと意外な理由と練習のコツのサイトを見てメールしました。
僕は、自分の好きな曲に合わせて楽しく叩けるようになりたいと思いドラムを始めました。
様々なジャンルの曲を叩けるようになりたいと思っています。

現在、教本を買ってそれを見ながら順番にやっています。
8ビートの基本フレーズや手足すべてが8分音符の関係で成り立っているパターンでバスドラムがウラのタイミングで入ってくるものなどは、叩けるようになったのですが、画像の16分音符主体フレーズができません。どうしてもハイハットがバスドラムにつられてしまいます。手足バラバラの動きができません。
何度もスローテンポで練習しても120テンポで叩くとハイハットがバスドラムにつられてできません。

あと、基本の16ビートもできません。
ハイハットを16ビートで叩き続けるのはできるのですが、スネアを叩いたあとハイハットに戻ると両手で一緒に叩いてしまったり、リズムが狂ってしまいます。
どのような練習をすればよいのでしょうか?

このご質問に加えて、取り組んでいるリズムパターンの
譜面の画像がついてました。

この譜例がいわゆる「手足バラバラ」の
入門的パターンだったわけなんです。

stvjrの回答

で、以下が私の回答のほぼ全文です。

こんにちは。

サイトを見ていただいてありがとうございました。
熱心に練習されているようですね。

多くの人がつまずく部分ですが、原因は同じです。

少し厳しく聞こえるかもしれませんが、
淡々と事実をお話しているだけなので、
そこから練習すべき内容を汲み取ってみて下さい。

まず、上達するのに必要なのは、
「生まれつきの才能」や「特別な練習方法」などではありません。

むしろ「素直さ、そして必ず上達する自分の可能性を信じること」です。

そもそも、早く動かせるのは「慣れた」からです。

もっと言えば、音色や音量、各楽器のバランスなどに
気を配れるのも「動きに慣れている」からです。

動きに慣れていない人が、音色や音量などの気を配ったら
たちまちつられて演奏どころではありません。

要は、

「動きに慣れる」
「スピードに慣れる」
「表現(音色や音量の調整)に慣れる」

という形で体を慣らしていくしか方法がないのです。

言い換えれば、「上達」とは一種の「慣れの集大成」とも言えるのです。

さて「慣れる」とは、言い換えれば
「考えなくても、いちいち意識しなくてできる」
ようになるということです。

人の脳は繰り返せば必ず慣れるように出来ています。
慣れていないのは単に繰り返しの数が足りないからに過ぎません。

「スローテンポで練習しても早くすると出来ない」という
悩みをたくさん聞きますが、率直に言って「量が足りない」のです。

どのぐらい必要かは個人差がありますし、
その人の習熟度合いによっても変わります。

これには一般的な基準があるわけではありません。

要する時間が短いから立派、多いから劣っているなんてことも全然ありません。

  1. ともかく動きがつられないテンポ(=動きをコントロールできるテンポ)で「慣れるまで」やる。
  2. そして、慣れたら(=考えなくてもだいぶ手足が勝手に動くようになったな、と感じたら)、少し速くしてやってみる。
  3. それで慣れたら、さらにもう少し速くする。つまづくようならまた元のテンポに戻してもっと繰り返す。

・・・この繰り返しです。

そして、繰り返している内に「慣れる感覚」というのがわかるようになります。

実は多くの人がここを勘違いしているようで、
そのせいでいたずらに自分を卑下したり、
感情的になって焦ったりする場合がよく見受けられるのです。

「慣れ」というのはやや突然訪れます。

もう一度言いますよ?

「慣れ」というのはやや突然訪れます。

繰り返しやっている内に、
10%慣れた、20%慣れた、30%慣れた、40%慣れた・・・90%慣れた、ついに100%に到達した

という「順調に上昇する感じ」を思い描いている人が
ほとんどなのですが、実際は違います。

むしろ、

10%慣れた、20%慣れた、30%慣れた・・・
でもその後変化がないように感じる(でも繰り返す)
・・・急に90%キタ!

みたいな段階を踏むものなのです。

で、この「でもその後変化がないように感じる」箇所で
多くの人が「?」を感じ、

「もしや練習方法が間違っているのか」
「才能がないのか」と考えるのですが、

違います。

上達は「順調に上昇する感じ」で起こるに違いない、
と心の何処かで思い込んでいる人がとても多いです。

でも実際は違うのです。

「変化が無いようにみえる」期間は少々つらいかもしれません。
でも「慣れ」そしてその積み重ねである「上達」はその先にあります。

自分を信じて、繰り返して(=数をこなして)下さい。

大事なことなのでもう一度言います。

自分を信じてやって下さい。

そして、こういう練習をいくつかのパターンで繰り返している内に、
段々と神経や脳が育って行きます。

その結果、「いきなりできる」という場合が増えて来ます。

熟練者が、急に何かをやって見せてくれと言われ、
すんなりあっさりできてしまう。

しかも「練習したことあるのか?」とたずねられて
「NO」という返事を返す。

尋ねた方が驚き、「やはり才能なのだ」と思ってしまう・・・

なんてことがよくあるのですが、
もうそのカラクリはおわかりなんじゃないでしょうか。

いずれにせよ、上達を阻む最大の敵は「焦り」です。
いくらイライラしても、歯を食いしばっても、体は慣れてくれません。

◯◯さんは教則本を買い込み、イチから
順番にやろうという意欲をお持ちの方ですから、
「焦り」の誘惑に負けずしっかり積み上げて行けば
必ず上達するはずです。

私のコンサルティング経験から言っても、
素直に数を繰り返せる人が一番うまくなるのが
早いですからね。

いかがでしょうか?

質問者の方からは、この返事の後すぐにお返事がありました。

そのお返事の内容から「具体的に、何に気をつけて、何に取り組むべきなのか」が
理解できた様子が伝わって来たのでこちらも嬉しくなりました。

あ!そうそう。
大事なことを忘れるところでした。

引用を快諾して下さった某読者さま、ありがとうございました!
この場を借りてお礼を申し上げます。

それと冒頭の譜例はFrank ZappaのPackard Gooseの一部で、ドラムはVinnie Colaiutaが担当。
こちらから引用させていただきました。

「ドラムで手足がバラバラに動かせない!」への1件のフィードバック

  1. stvjrさん

    最早「I’m a “lost cause”, but not a band drumer…」と言われてもおかしくないところにいる明神(あけがみ)です。

    「貴殿の役目でおじゃる! ”Free”で麻呂に教えるでおじゃる!」という方がいらっしゃるとは・・・
    随分と「とっても短いと思える”凄まじく長い遠出”」がお好きな方なのでしょうねぇ・・・・w

    さてさて。

    私はドラムの技術習得に関しては「一種のリハビリテーション」だと思っています。
    “動かないものを動かし”、”動いたら正確にしていく”ものですし。

    たとえ動いたとしても「低速時に”超精密”に動かすこと」が出来なければ、高速だと余計とっちらかる。
    アイドリング時に凄い振動が出るエンジンが、スピードを上げるため高い回転に出来ないのと同じで。
    ※もしやったとしたら、途端に内部の部品が砕け散り各部にダメージを及ぼし最終的にはエンジンごと交換になるでしょう・・・ましてやパワーが出るターボなんてついていたら目も当てられませんねw

    焦りから来るもの・・・最終的には恐怖心ですがw、何も生み出しません。
    それが以前までは「練習の糧」となっていたのなら、もっともっと怖がって焦らないと練習ができなくなりますね。
    ※「凄まじく長い遠出」をしたいのならオススメしますが・・・w

    反対の・・・「愉しさ」が「練習の糧」なら、いつまでも続くのにと思います。

    明神(あけがみ)

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