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幸せなドラム中毒になるための処方箋
先日の入間あぽぽ祭りの出演の帰り道に、川越のイシバシさんで
入荷されていたTAMA Speed Cobraを試奏させてもらいました。
今日は、そのインプレッション記事をお届けします。
Speed Cobraですが、私から見てなんといっても特徴的なのは
とにかくフットボードが長い。
という点です。
ちなみにこんなに長いんです。
ボードが長いとどうなのさ?という疑問もあるでしょう。
なので、そのことについての考察と実際の操作感を中心にお伝えしようと思います。
そもそもボードが長いと、かかととつま先のそれぞれを、
ボードに「しっかりと触れさせる」ことができます。
つまり、ヒール&トウ奏法がとてもやりやすいのです。
一般のペダルはここまでボードが長くありません。
なので、ヒール&トウやろうとしても実際には・・・
かかとをヒールブロックにぶつけつつ足を平たく落とすフル・フット動作
(=これをヒールとみなす)
と
つま先でつつく動作(=文字どおりトウ)
を交互にやる感じになるわけです。
しかし、スピコブは、つま先とかかとを素直にぶつけられる。
つまり素直に足首を軸にしたつま先とかかとのシーソーの動きを
そのままボードに伝えやすいのです。
なのでヒール&トウを習得しやすいのではないかと思えますね。
実際にやってみました。
ヒール&トウの動き自体に慣れていれば、
違和感どころか素直に動いてくれるのできっと驚くのではないでしょうか。
あ、安定させるにはもちろん別途訓練が必要ですヨ!
うん、思ったとおりの感触です。
ところで、ヒール&トウに限らず連打系のテクニックは
いかにビーターをヒット後に素早く戻せるかにかかっているとも言えます。
ヒール&トウをやりやすくするためには上に書いた通り、
ボードが長い方がいいのはある意味すぐ出て来る結論です。
ところが、そうすると今度は別の部分でスピードプレイに向かなくなることが
あるので難しいところです。
どう言うことかというと、
ボードを長くする
↓
ボードの慣性重量・慣性モーメントが増えがち
(つまり動かしにくさ・回しにくさが増える)
なので、「ビーターを素早く戻す」という特性と相反するのです。
私がボードの慣性重量が小さいものが好き、と言っているのは
まさにこれがあるからなんですが・・・
スピコブのボードは多分造形に工夫しているのでしょうね。
ボード裏面の彫り代を多く取っているのかも知れません。
このレベルになっていればまったく問題ないと感じました。
ヒール&トウ、スライド、スイベルの各方法で16分連打を試してみましたが
いずれも問題ない操作性です。
ただ、32分連打は16分連打に比べると慣れるのに少し時間かかりましたね。
回転方向の慣性はうまく減らせているように感じますが、
質量増大だけはどうもなりませんからね・・・その影響が少しだけ残っている可能性もあります。
かと言って彫り代増えすぎると強度の問題もあるし、
この辺がバランスポイントなのかも知れませんね。
私はバスドラムについてはほぼ9割方オープンヒットなんですが、
たま~にクローズヒットを使うこともあります。
そんなわけで、スプリングの調整はオープンショットに適するように
かなり強くしています。
スプリングテンションを強くすると、オープンショットや連打系は
とてもやりやすいし、体重のバランスを取りやすいのですが、
その特性はクローズヒットの時はそのまま難点になります。
どう言うことかというと、クローズヒットのために
踏みつけたままにしておく時に余分に踏力が必要になるのです。
しかし、これも長いボードのおかげでよく緩和されると感じました。
何でかって言うと、長いボードということは短いボードに比べて
てこの原理がよく効く
のです。
そのため、ボードの先端部に近い部分を使えば、強いスプリングテンションであっても
そんなに力いっぱい踏みつけることなくクローズヒットになってくれます。
もちろん、既存のペダルでも先端部を使えば同様のことは言えるのですが、
スピコブの長いボードではそれが際立って感じられる、ということです。
ちなみに、ボードが長いというとAXISが筆頭と思ってるんですが、
私的にはチェーンドライブ、ロングボード、ヒールブロックがある点で
やっぱりスピコブの方がより好み。
(ま、TAMA製だからというのもあるんですけどね ^^;)
ちなみに、ダイレクトリンクはパワーロスは最小になる傾向が強いですが、
その代わりペダルの踏み込み時の位置に応じて回しにくさが変化します。
この特性を「クセ」を感じる人は多いようで、自分もその一人です。
チェーンやベルトはこの「回しにくさの変動」を均一化してくれるので、
サウンドにより意識をフォーカスできる点が気に入っています。
ま、慣れてしまえばダイレクトでも気にならなくなりますが、やはり
それまでどちらのタイプを使っているかは大きく影響するでしょう。
それから、もう一つ強く感じたことは、
音色・音量のコントロール幅がすごく広い
ということです。
たとえば、「ここ一発の図太い音」はヒールブロック側でオープンヒット。
小さい音や、クローズキックのベチッとした音などは先端寄りを使う。
フェザリングは先端付近でオープンヒットすればよい。
しかも、ビーターが三角形でよりヘッドとの接触面積が狭いので、
ヒールブロック側を踏んで素早く戻せばアタックよりも「鳴り」が強調しやすい。
先端側を踏んで押し付ければベチッとしたアタック重視の音が。
いずれも、「てこ」が効く分いずれもやりやすいし、
ボードが長い分そうした特長を強調できている感じです。
ボリュームつまみの上限が広がった感じ、とでもいいましょうか。
おそらく、これ最初の設計思想は
ヒール&トウをデフォルトでやりやすいペダルってないよね~
から始まったんではないでしょうか。
しかし、それを実現する段階で慣性重量や慣性モーメント、ビーターの
戻り反応など、いくつかの問題があり、それらを解消するべく試行錯誤をした
結果、今回のリリースにこぎつけたのかな、と思っています。
もしそうだとすると、これは推測ですが、
おそらくアイコブとは正反対の設計思想である可能性があります。
アイコブはおそらくクローズヒットが前提、アタック重視の設計に
なっていると思われます。
たとえば、用意されているカム形状。
標準ビーターの形状。
それとCobra Coilの存在。
すべて、「押し付けたままにしておくことが多い」状況を想定すると
納得しやすいんです。
一方、スピコブは、オープンヒットの方が多い状況を良く考えて
作られているように感じます。
その結果として、
「オープン奏法がよりやりやすく、表現重視のペダル」
となったんではないかな?と思えるわけです。
では、私のインプレッションをまとめておきます。
あくまでも私の、しかもファーストインプレッションなので、
実際に購入検討などの際は必ずご自分で試して見て下さいね。
お前のインプレッションあてにして買ってみたけど、
自分には全然合わない。責任取れ!
みたいのはどうかご勘弁を(笑)。
難点は2つ。
ひとつは、「かさばる」(笑)。
これは、長くしたのですからしょうがないともいえますが、
もし購入したら私のハードウェアバッグには確実に入りません。
それともう一つ。
これ、かなり重要なんですが・・・
ラジアスロッドタイプではない(爆笑)。
え?
そんなこと言ってるの俺だけ?
うーん、そうかも。
でも、意図したのか結果的にかはともかく、
ここまで表現重視に仕上がっているので・・・
どうせならラジアスロッドもオプションで選べるようになっていてほしかったかも。
え?
そうなっていたらどうしたかって?
あー、そりゃもちろん・・・
カードで即買いですよ!
当ったり前じゃないですか(笑)。
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