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あきらめる前に試して下さい »

スティックコントロールの基礎の基礎

誰が為にハコは鳴る

2012年9月22日

ごごご、ごめんなさい!

3月中に配信すると言っていたメールセミナーですが、
結局配信できずじまいでした。

しかし、今度こそ!
連休中には次回分を必ず配信します。

テーマは、前回配信分の「表現力より大事なもの」の続き、
いよいよ本題です。

奇しくも先日、とあるライブハウスにて遭遇した場面が、
今回のテーマととても密接に結びついたものであったため、
その話をここでシェアしようと思います。

ただし。

今日の記事は本サイトの記事の中でも
1、2を争う「立腹度」だと思います。

あなたもかなりの確率でアタマに来る可能性があります。

もしその自信がおありなら…

無理して続きを読む必要はありません。
遠慮なく、すぐにページを閉じて下さって構いません。

不快になっても責任取れませんので…(いつものことですが)

 

その日のライブは、いわゆるインストものに分類される音楽を
やっているアマチュアバンドでした。

メンバーの腕もハッキリ言って超絶技巧レベル。
はた目には、なんでプロで食わないのかと思ってしまっても
無理はないと思えるものでした。

そして想像通り、最初の一曲は盛大な拍手。
奏者たちの技巧に圧倒されたのかも知れません。

この調子で、さぞや客席を満足させるパフォーマンスが
繰り広げられるのだろうことは容易に想像できました。

しかし…

一曲目を聴きながらあることに気がついた私は、
ステージの進行を見守りながら辺りを観察していたのです。

私はカウンターにいたのですが、となりには顔見知りの
とある常連客が座っていました。

三曲目あたりが終わり、曲間のMCをやっている時に、
その人が私の耳元でこうささやきました。

常連客「この人達って、巧いのかな?」

私「技術はすごいね」

常連客「それはわかるんだけど…何だろう?すごく…

さて。

「すごく…」何なのでしょうか?

この常連客がその後に続けた言葉。
あなたは想像できますか?

プロレベルと言っても過言ではないほどの超絶技巧の
演奏を聴いた某リスナーの感想のひとこと。

それは…

 

 

 

「うるさかった」

だったのです。

その後、その人は一曲が終わるたびに私に話しかけ、
曲の印象を語って来ました。

それは、覚えている限りではこんな内容でした。

  • インストものだから、アドリブ主体なのは想像がつく。
    だけど、今やってるのが誰のソロなのかがわからなかった。
  • 曲がどこで盛り上がるのかさっぱりわからなかった。
  • 一曲が長すぎ、しかもうるさいからヘンに疲れてしまった。
  • 巧いのはわかった。でも、それだけ。

賢明なるアナタには、私が一曲目に何に気がついたのか、
もう想像がついたのではないでしょうか?

そうです。

それは、

リスナーの耳に届く音の大きさ。

言ってしまえば、これが大き過ぎたのです。

そのために、

曲の展開・起伏がわかりづらかったのです。
誰のソロなのかわかりづらかったのです。
大きな音量のまま一定時間聞かされたから、疲れてしまったのです。

え?何々?

そんな文句をいう客は帰ればいい。
何も無理していることはない。

えーと…

逆の立場になってみましょうか。

あなたがライブハウスに寄ったとします。

見れば、ちょっと興味を惹かれるフライヤーがある。
どれ、ちょっと聞いてみよう、ということで店にとどまり、
チャージを支払い、そのバンドの演奏を聴いた。

そこで、腕はまあまあだったが、
非常にウルサイと感じた…

そうやってあなたが怪訝そうな顔をしているのを
バンドのMC担当が指さして、

「おい、俺らの演奏が気に入らないなら帰ってもいいんだぞ」

なんて言ったら、あなたはどう感じるでしょうか?

私は変わり者なので爆笑してしまいますが、
普通の人は怒るんじゃないでしょうか?

日本のオーディエンスは一般的に寛容な傾向があるようですね。

まずい演奏でもそれなりに拍手をして奏者に敬意を払うみたいな
ことをしてくれることがわりあい多いように感じます。

しかし、これがいわゆる「営業」演奏だったらまず「演奏打ち切り」
次いで店のマネージャーが出て来て「撤収命令」の憂き目を
見る場合がかなりあります。

そして当然のごとく、「二度と呼んでもらえません」

これは、奏者として望ましい結果なのでしょうか?

もちろん違うと思います。

お店も、奏者も、お客様を満足させてナンボなのです。
満足してもらえば、また聴きに来てくれるのです。
だからこそ、また呼んでもらえるし、ブッキングを組んでくれるのです。

それこそが、店や奏者の望むことではないのでしょうか?

行って不快になるお店にわざわざ足を運ぶ
酔狂な客はそうそういません。

聴いて不快になる音楽をもう一度聴きたいと思う人も
そういないはずです。

自分の身に当てはめればわかる、とっても当たり前な話ですよね?

え?何々?

それはPAが悪い。
バンドの意図を汲み取っていない。

うーん、そうとも言い切れないんじゃないでしょうか?

もちろん、

事前にセットリストや構成表を渡して、
「どの曲のどの部分が盛り上がるからこうしてくれ」って伝え、
リハで確認した上でなお、本番で想定外のバランスになってしまった…

というなら、確かにおっしゃる通りかも知れません。

でも、

もし何も伝えてなくて、「期待通りにならなかった」と言うのであれば、
それは筋違いとしか、私には思えません。

だって、そうじゃなきゃ、超能力者じゃあるまいし、
テレパシーか何かでそれを感じ取れないミキシングエンジニアは
無能だってことになってしまいます。

でも、それって違いますよね?

大工に「図面なしで家を建てろ」とマジで伝え、
それで希望の家が立つと本気で信じている人は…

恐らくいないはずです。

楽曲表現上、必要な音量調整があり、
それが自分たちだけではどうにもならない、
どうしてもPAの協力が必要だというなら…

それをあらかじめ明確に伝えておく義務は
バンドにあるはずです。

なぜなら、それは伝えられない限りバンドしか
知らないんですから。

さらに言えば、

PAの入る余地がない小さなハコだったらどうしますか?

この場合、個々の楽器の音量、全体のバランスまで含めて、
それを「イイ具合に」調節するのは、100%バンドの責任になります。

もうお分かりだと思いますので、一旦まとめましょう。

まず、お客様の満足を目指す。

お客様がお金を払ってくれるから
お店はやって行けるのです。

お店がやって行けるから、
私達は演奏する場を与えてもらえるのです。

だから、「お客様の満足を目指す」。
これが大・大・大前提です。

そしてそのためにまずはダイナミクス調整をするのです。
もちろん、演奏しながらです。

何のためか?

それは、楽曲の盛り上がり・起伏・変化をオーディエンスに
感じてもらえるようにするためです。

オーディエンスにとって、起伏がわかり、変化を
感じることが出来れば、楽曲に感情移入しやすくなるのです。

なぜ感情移入が必要なのか?
ちょっと思い出してみてください。

情感込めて抑揚たっぷりにセリフを口にする俳優の語りは
それだけで引きこまれてしまいます。

うまい役者のそれは、時間がたつのを忘れるほどですね。

一方、一定の調子で淡々と語り続けるニュースの
アナウンサーのしゃべりは、決して感情移入しやすい
ものではありません。

まして、耳をつんざく大音量で延々とそれを続けられたら…
アナウンサーがニュースの時間中ずっと、がなるような声で
話し続けてていたら…あなたはどう感じますか?

そう。「苦痛」です。
私なら速攻チャンネルを変えます。

それはともかく、この部分が重要です。

変化・抑揚に富むことで感情移入がしやすくなる。
そして、オーディエンスが楽曲に感情移入することで、

「長すぎる」
「どこで盛り上がるかわからない」
「ヘンに疲れる」

という印象を減らすことができる…というわけです。

だから、楽曲における音量の変化は非常に重要な要素なのです。

この方法はクラシック音楽では常套的に使われていますが、
他のジャンルでも聴かせるのがうまい人はほぼ例外なく
この部分を心得ています。

このように、重要で昔から使われてきたからこそ、楽典には
クレッシェンド・デクレッシェンド、フォルテやピアノなどの
記号や記法があるのです。

だれも使わない表現手法なら記号・記法が
後世に伝えられることはありません。

そして次に。

今誰のソロパートなのかがオーディエンスに明確に伝わるように、
バンド全体でバランス調整をします。

そうすればオーディエンスは、
「誰のソロなのか、誰に注目すればいいのか」が自然にわかります。

そして、そうなってはじめて、
奏者のテクニックやフレーズを味わう土俵に立つのです。

それが、自分達の音量の調整がまずいばっかりに、
せっかくの見せ場を見てもらえないとしたら…

もったいなさ過ぎると思いませんか?

ちなみにこれは歌モノでも同じです。

今はAメロなのかサビなのか、はたまたギターソロなのか。
今誰をフィーチャーしているのかによってバランスを調整するのは、

表現上のあまりにも基本的な

「 テ ク ニ ッ ク 」

です。

テクニックと言う言葉は、何も運指やピッキング、
スティックコントロールだけを指しているわけではありません。

音楽家である以上、

「オーディエンスの耳に届くものをイイ具合に調整するスキル」

はすべてテクニックなのです。

さて、このように書くと疑問が生じるのではないでしょうか?

俺達はメッセージを発信しているんだ!
俺達は新しい表現を開拓しているんだ!
だから、そのように客に媚びるようなことはしたくない!

それは早合点です。

聴きやすいようにしてあげることは全然お客様に媚びることにはなりません。
むしろ、奏者側にとっても得なことがとても多いのです。

む?

聴きやすいようにしてあげることで、
奏者が得になることって何でしょうか?

おっとその前に。

今回のこの記事ですが、

実はこの「ライブの一件」から得られることの
三分の一ぐらいしか話していません。

残り三分の二は長くなりすぎてサイト記事としては不適切な上、
主題がメールセミナーで現在お話している内容とドンピシャなのです。

だから、続きはメールセミナーにてお話しします。

もちろん、上で書いた「奏者にとって得なこととは?」についても、
併せて語って行きます。

ではまた。

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信条