Stone Killerで一つ打ちは本当に速くなるのか?

例によってかなりムカつくこと必至の記事を。
これまた例によって、ムカつき出したら読むのをやめて下さいね。

Stone Killerで一つ打ちは本当に速くなるのか?

短い答えと長い答えがあります。

結論から言います。

(これが短い答え)

はい、なります。

…ただし、無条件に、ではありません。

(ここから先が長い答え)

というよりも、

そもそも「Stone Killerをやれば速くなるのか?」という問いかけは、
「極めて不完全な問」だといわねばなりません。

良く考えてみて欲しいのです。

Stone Killerとは、単なる譜例にすぎません。

どこをどのように動かすのか、などの

“動きの注意に関する情報”は全く含まれていません。

かりに、あなたが。

砂漠の真ん中に隠された、財宝がどっさり埋まった
遺跡の地図を手に入れたとしましょう。

でも、もしが…あなた

その砂漠に行く方法や、
砂漠を移動して真ん中にたどり着く方法、
砂漠で生き抜きながら旅を続ける方法

を知らなかったとしたら、この地図はあなたの役に立ちますか?

NO

ですね。
いや、むしろ無謀な冒険をして命を落とすのが関の山です。

宝の地図は、それさえあれば宝が見つかるわけではありません。

地図には何も書かれていなかったとしても、
上に述べたような前提があるのです。

 

さて、もうおわかりなのではないでしょうか?

Stone Killerやルーディメンツの譜例にも、
同じことが言えるということを。

はっきり言います。

適切な動かし方さえ用いるならば、Stone Killerは、
シングルストロークはおろかあらゆるルーディメンツの

スピード、音粒、コントローラビリティ、そして持久力を向上させます。

もっと噛み砕いて言うと、

スティックコントロールの底力を
「ハッキリ、誰の目にもわかるように」向上させる

だけのポテンシャルがあると言うことです。

しかし、だからこそ諸刃の剣とも言えます。

つまり、「不適切な動かし方」だったら、
かなりの割合で筋・腱・関節を傷めることになるのです。

はい?

なぜそんなことが言えるかって?

私がそうだったからです。

サイドバーの筆者紹介にある「ボロボロに壊した原因」の一つが、
不適切なやり方でのStone Killerのやり過ぎだったのです。

だから、もしどんなやり方であってもStone Killerさえやれば、
安全に、効果的にシングルストロークが早くなる、などと思っているなら・・・

 

自問して欲しいのです。

 

Stone Killerを魔法のつまみだと思ってないか?

と。

何度も言っていますが、魔法のつまみなんてありゃしません。
銀の弾丸は宇宙の果てまで探したって見つかりません。

いや、そんなことないよ。
俺は適当にやったけどかなり速くなったよ?

なるほど。
なら言いましょう。

もしあなたが、「適当」ではなく、「より適切な方法」を知るなら、

あなたはもっと速く叩けるようになります。
しかも、速さ以外にも「嬉しい副産物」がどっさり付いて来ます。

そして、「もっともっと」余裕を持って、
その生まれた余裕を、「より音楽的な事柄」に
振り向けることができるようになるでしょう。

ハッキリ言いましょうね。

Stone Killerは、この

「より適切な方法」を修練するための譜例だった

ということです。

「誰でも、どんなやり方でも見る間に上達する魔法の譜例」を
探すのはヤメましょう。

もしあなたが。

速めのシングルストロークを余裕を持って叩けるようになりたいと
願っているなら、本当に探すべきはそんな魔法の譜例ではありません。

Stone Killerによって向上する「より適切な動かし方」です。

どんな速い連打もばらせば一音一音。
ひとつのモーションが形を変えて組み合わされているだけです。

1モーションがコントロールし切れていないのに、
連打がコントロールし切れるわけはありませんよね?

このことがわかるなら、おたずねします。

あなたは、1モーションをどこまでコントロールし切れていますか?

「Stone Killerで一つ打ちは本当に速くなるのか?」への9件のフィードバック

  1. 「これをやれば上手くなりますか?」という質問は時々あります。
    そういう質問をする方は、なるべく手っ取り早く上手くなりたいんですね。。
    コツコツやるしか道はないです。
    ただ、その道が間違った方向にいかないように注意しなければいけない。
    でも、間違ってしまったことで気づくことも大きいですしね。

  2. おお、koucrispyさん!!
    ごぶさたしております!

    しばらくぶりのコメント、ありがとうございます!
    しかもこんな夜更けに(笑)

    「手っ取り早くうまくなりたい」
    そうなんですね。

    私もそういう時期ありましたから、その気持ちは痛いほどわかります。

    でも、「手っ取り早さを求める」のは
    一種の「脳のクセ」みたいなもの。

    真に求めるべきはそれじゃない、っていうのは
    みんな心の奥ではわかってるはずなんです。

    私の場合、手っ取り早さに溺れたひとつの結果が
    派手な体の故障だったわけで・・・

    ずいぶん大きな代償を払ったものです。

    錯覚っていうのは恐ろしいですね。

  3. お久しぶりです!

    手っ取り早くは魅力的ですね笑
    結果に走る傾向は誰にでも落ち入りがちな罠ですよね。
    いつも感じます(T_T)

    最近では、なんでそれがしたいかを考えてから行動するようにしてます。
    そうすることで、順序よく道筋だった解決方法が出る事が多くなりましたよ。

    しかし手っ取り早くは魅力的です。

  4. おおお~、USKさん!
    コメントありがとうございます!

    > 最近では、なんでそれがしたいかを考えてから行動するようにしてます。
    > そうすることで、順序よく道筋だった解決方法が出る事が多くなりましたよ。

    さすがですね!

    それって、これからの方たちにも是非伝えて行きたい、と
    思うことの一つなんですよ~

    > しかし手っ取り早くは魅力的です。

    よーくわかります(笑)。
    そうした傾向があるのは学術的にも理由のあることですし・・・

    ただ、何でもかんでもそれをやると、

    自分の一度きりの人生が
    「安易なまやかし」でいっぱいになってしまう恐れがあるので
    警戒しております。

  5. stvjrさん

    明神(あけがみ)でございます。

    Stone Killerを始め、負荷が高いトレーニングとも呼べる練習法は
    「持久力」を高める目的と勘違いされている面もありますよね。
    もちろん、そういった面もあります。

    でも、本当は。
    「持久力」ともう一つの「大切な要素」を体に覚え込ませるための
    練習法ですね。
    ※なので、闇雲に注意点を守らず練習するのは下手すると
     悪影響を及ぼしかねませんね・・・

    もう一方の要素というのが忘れ去られているのは悲しいことです。
    よろしくお願い致します。

    明神(あけがみ)

  6. いやぁ、そうなんですよ。
    でもねぇ、勘違いする気持ちもわかるんですよね・・・

    だって、いきなり何の説明もなしにあの譜例見せられたら、
    99%こう思うんじゃないでしょうか?

    「ぐはぁー、キッツー!」
    「やっぱ本物はかける負荷が違うんだぁ・・・」(笑)

    みたいなね。

    最初に、何の説明もなしにあの譜例だけを伝えた人は
    少々罪作りだなぁ、と思ってしまいます。

    ご承知のように、考案者である某氏は、
    だれかれ構わずこれを教えたわけではありません。

    彼のメソッドをキチンとこなし一定水準をクリアしたと判断した者にだけ
    紹介していた訳です。

    また、「Killer」というのも誤解を招きますよね・・・
    日本人からすれば「殺人的」みたいに捉えてしまってもおかしくはない。

    だから余計に「殺人的高負荷トレーニングに違いない!」と
    思ってしまったんではないだろうか、という悲しい推測をしているわけです。

    そうなんですよ。

    入門者がやるトレーニングじゃないんです。
    これって。

    リバウンドコントロールの一番ベースの部分がマスターできてないと
    ほとんどやれない譜例なんですよ。

    出回ってるのは左4右4の交互のヤツが多いようですが、
    後半の譜例はまさに鬼です。

    いずれ機会があったらお見せしますね。

  7. 続けて投稿しちゃいます。

    そうそう、最初、スピードアップの特効薬だ!!と思ってこのストーンキラーに飛びつくんですが、自分なりに進めていくうちに「これで余裕を持つことが出来たらほかに意識をもってけそう」みたいに目的が変わっていくのもこいつの魔力かもしれませんね・・・わたしは一年くらいやってますがBPM110くらいまでしかいけてない=やりかたが判っておらず、体を故障しかねないギリギリのところにいる・・・かもしれませんね。まぁ最近はスパッと潔く練習をやめることが出来る様になってきましたが・・・。

    もうひとつの「大切な要素」・・

    なんなんだ・・・???

  8. jigabooさん

    コメントありがとうございます。
    もうひとつの要素、についてはこちらの記事もヒントになると思います。
    ご参照下さい。

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