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スティックコントロールの基礎の基礎

ドラム プロ 条件

2021年8月4日

ドラムのプロになるための条件、というのを
よく質問されるので書いておこうと思います。

何でこんなこと書こうと思ったかっていうと、
多くの方が「条件」ということについて
盛大な勘違いをしてるなぁと感じたからです。

もちろん、ちゃんとわかってらっしゃる方もいますが・・・

あ、たぶん当サイトの記事の中では

過去最高にムカつく話

になると思うので、読むのを止めるなら

今のうち

ですよ。

で、ドラムのプロの条件?

なんだと思いますか?

ドラムで条件っていうんだから、例えば

シングルストロークがBPMいくつで打てること
バスドラのダブルがBPMいくつで踏めること
・・・

なんていうリストが「条件として」出てくることを想像していたなら、ごめんなさい。

そんなリスト、くその役にも立ちません。

というか、そんなの「条件」ではないんですね。
まあせいぜい、「もっと重要な条件」のための目安程度。

なんで?と思ってるかもしれませんね。

まず、たとえ話をしましょう。

ちょっと古いたとえ話になりますが・・・

そうですね、あなたが、せっせと頭金をためて、
いよいよマイホームを建てるよ!という運びになったとしましょう。

で、中身はモダンだけど、昔ながらの木造住宅がいいなあ、

なんて思っていて、

家族と何度も打ち合わせをして、間取りや収納の配置など、
だいたいのイメージが固まりました。

そこで、

では誰に作ってもらおうか?となったときに、
まあ普通は「家づくりのプロ」である、
建築会社とか、大工さんとかに依頼しますよね。

そう、家を作ることでお金をもらっている専門家です。

今日はその専門家と打ち合わせをする日。
あなたは緊張した面持ちで建築会社に打ち合わせに赴きました。

さて、そこで、その建築会社が、

うちはでかいビルやインテリジェントビル、高層建築が得意でね。
こんな難しいものも建てた実績があるんだよ・・・

等と話し始めました。

あなたは内心、

いや、違うよ。俺は木造住宅が欲しいんだ。
ビルとか、難しい技術とかはそちらの話でしょ。

大枚はたいて家を作ろうってんだからさ、まずこっちの話聞けよ。
あんたの自慢話を聞きに来たんじゃないんだよ。

と思いながらも打ち合わせを進めます。

ながーい技術自慢の話がやっと終わり、
ようやくあなたは自分が欲しい家の希望を伝えました。

そこで

やれそうですか?

と尋ねたところ、

やってみないとわからないなぁ。

約束は難しい。

という答え。

「はぁ?」

当然そう思いますよね。

あんた、プロだろ?

と食ってかかると、

そうですよ。
だって、この道でお金もらって食ってますから。

との答え。

そこで、あなたは質問を変えて、

まあ、プロでも得意・不得意があるのはわかる。

じゃあ、質問を変えるね。

俺が欲しい木造住宅は作れないの?
看板には「なんでもお任せください」って書いてあったけど。

もし無理なら無理って言って。

と尋ねると

できたり、できなかったりします

との答え。

対してあなたが、

ええ?
不得意なものだけではなく、得意なものでもそうなの?

と畳みかけると、

その通りです。
やったことがあるものでも、うまくいくとは限りません。

と、もはや開き直った返事。

さあ、こういうやり取りののちに、
あなたならこの建築会社に依頼をしますか?

しますか?

しない・・・ですよね。

私ならしません。

絶対にしません。

この建築会社、プロという言葉をとらえ違えています。

もっというと、プロを名乗る条件をみたしていません。

さあ、ここからが本題ですよ。

この建築会社、なにがおかしいのでしょう。
どんな条件を満たしていないというのでしょうか。

わかりますか?

まず一つ目。

お客さんの話を聞こうとせず、自分の技量自慢ばかりする。

つまり、相手が何を求めているかを聞こうとしない。興味がない。
これ、お金払う方からしたら「大問題」です。
いや、「問題外」ですよね。

これ、致命的です。

興味があるのは、自分がやれることの多さに感心してもらうことだけ。
相手がしてほしいこと、かなえたいことが何かに対してはまるで関心がない。

これでは、幼児の「ねえねえ、これ見て」と同じですね。

ドラムに限った話ではないですが、ドラムやる人には特に多い気がしますね。
このスペック自慢。

これが、条件違反の一つ目。

二つ目。

勘違いしないでください。

不得意分野があるのがあるのが悪いのではありません

また、不得意なことがうまくやれないのもまったく悪いことではないし、
そんなの当たり前です。

これ自体が条件違反なのではありません。

問題は、不得意ならそうと言うべきなのに、
「できたりできなかったりする」などと言って論点をすり替えているところです。

お客さんの要望を聞いて、自分の技量や経験に照らし合わせて、
可能ならそう言えばいい。

可能でなくても「残念ながら、うちでは厳しいです」と言えば、
誠意は伝わりますし、それが大人の対応というものです。

それをせず、「その道で食っているから・・・」と言い張り、
なおかつ目の前の相手の要望に対して答えをはぐらかす。

これ、なんなんでしょう?
「自分、これが苦手です」と認めたくないのでしょうか?

まあともかく、判断をしない、伝えない。

これが条件違反の二つ目。

三つ目。

この建築会社、お客さんに対して、お金をもらう気はあるのに
何も約束しようとしていません。

「だめだこりゃ」と思う最大の要因はこれです。

これが三つ目の条件違反。
そして、最大の条件違反。

成果に対して一定水準の約束をしてくれない相手に、
どうして安心してお金を払えるというのでしょうか。

つまり、ポイントは、

  • 相手の要望を満たせるかを判断する
  • 可能と判断したことについては約束をする

ことです。

この約束をすることがつまり「契約」なわけです。

これこれこういうものを作って納める代わりに、
いくらいくら頂戴しますよ

というやつですね。

はい。

これでわかったのではないでしょうか。

プロとは、

  1. お客さんの要望を満たす何らかのアウトプットを作り出すに足る知識・技量・経験を多く持ち、
  2. 自分がお客さんの要望を満たせそうかを判断し、
  3. 行けると判断したものについては品質や納期などを約束する

ということができる存在のことを言います。

いわば、これが最低限の条件です。
つまり、必要条件です。

この中のどれかが欠けてもだめです。

なぜだかわかりますか?

考えてみてください。

自分の頭で考えてみてください。

すぐ答えを求めようとしないでください。

考えましたか?

答え合わせ。

どれか一つでも欠けたら、お客さんにとっては

お金を払う価値がなくなる

からです。

考えてもみてください。

品質が不足しているものに、
納期を大幅に過ぎて完成が遅れた(=待たされた)のに、

予定通りの金額を払わなければいけないって、納得いかなくないですか?

相手は納期も品質も守らないのに、
こちらだけ約束通りの金額を払わされるって、
納得いかないでしょう?

品質不足になるなら、納期を大きく過ぎそうなら、
「あらかじめ言ってくれよ」って思いませんか?

約束してくれたってことは、
大丈夫と判断したからなんだろうな、

って思うじゃないですか。

大丈夫と判断したっていうことは、
少なくとも自分の要望については伝わったし、
業者さんの知識・技量・経験の範囲内なんだろうな、

って思うじゃないですか。

それがふたを開けたら結局だめでした、
不足でしたっていうのは

「話が違う」

ってなりますよね。

ここです。

プロを論ずるなら、「約束」。

これが重要なキーワードです。

お客さんは技量(や知識や経験)にお金を払っているのではありません。

直接的には、「約束をし、その通りのアウトプットを出してくれた」ことに対してお金を払うのです。

ほかに何ができるかなんて「どうでもいい」のです。

つまり少なくともある分野に関しては約束ができるし、守れるよ。

そのための判断ができるよ。

「それを守れるだけの、知識・技量・経験はあるよ」ということなんです。

これができるなら、「その分野」についてはプロを堂々と名乗っていいと思います。

もちろん、ドラムでもそうです。

お分かりですか?

よく聞かれる質問で非常に多いのが「ドラムで、どこまでできたらプロですか?」という問い。

こう問いたくなる気持ちはわかります。

でもはっきり言います。

それは愚問です。

それに、「どこまで・・・」というのは直接的な条件にはなりえません。

ドラムに限った話ではないです。

「プロ」とは、スキルのレベルや量につけられる称号ではないのです。
スキルのレベルや量は、そう呼ばれるための要素の一部でしかありません。

最も重要なことは、お客(=お金を払ってくれる人)の要望をくみ取り、
それが自分の知識・技量・経験でカバーできるかを判断し、
できないならその旨を即座に伝えて断る、
できるならその結果を約束する。

この約束と、前提となる判断のために、知識・技量・経験が必要なのです。

逆に言えば、知識・技量・経験は、
「この分野については約束できますよ」と宣言している分野に関して、
十分な量あればいいのです。

あれもこれもできなくてはいけないわけではありません。

いや、むしろ、いくら「あれもできます、これもできます」と言ったところで、

お客さんの要望に興味がなく、
自分ができることの自慢ばかりしてるようなら、

プロ以前に、「お前、鬱陶しい」

です。

ただの腕自慢なら学芸会でやれよ、
こっちはお金払う価値のある人をさがしているんだから・・・

と言われるのがオチでしょう。

「そんなリスト役に立たない」といった意味が分かりましたか?

そのリスト、要は通信簿なんですよ。
俺、5がいくつある!っていうのを見て自己満足してるだけ。

だから、オール5でもプロになれない人はいっぱいいます。

なぜか?
もうおわかりですよね。

技量自慢ばかりしていて、お客さんの話に関心を持てない。
お客さんの要望に対して判断・約束ができない。

こんな人にお金を払う人はいません。

めちゃくちゃ大事なことなので繰り返し言います。

お金を払ってくれるお客さんに対して、約束ができ、守れること。
その対価としてお金を受け取っている人。

これがプロと呼ばれる条件です。
この感覚・意識こそが「プロ意識」です。

知識・技量・経験は、一番大事な「判断・約束」をするための前提要素でしかないのです。

いいですか?

ドラムに関する例を出してみるなら、例えば

16分パラディドルがBPM250でできようと、
お客さんの要望に興味がなく、
その意図をくみ取れないなら、

プロではありません。
凄腕ドラムではありますが、アマチュアです。

驚異的な四肢独立ができたとしても、
お客さんがしてほしいことをかなえられないなら、

少なくともそのお客さんにとってはプロではありません。

ちょうど、「そのお客さんにとっては」という話が出たので、補足します。

「すべての人」にとってプロである必要はありません。

知識・技量・経験が多いというのは、言い換えれば、

より多くの人を喜ばせられる可能性が高い、

というだけです。

知識・技量・経験がそれほど広くなくても、
それをあてにしている人を満足させ、その対価を受け取っているなら、
その人たちにとっては紛れもなくプロなのです。

しかし、すべての人を満足させることは極めて難しい、というか不可能です。
なので、「すべての人にとってプロである必要はない」と言ったのです。

少しはドラムの話で例えてみましょう。

古めかしいオールディーズのリズムが求められる現場で、
ブラストビートを披露してもうざったいだけです。

大きなドラムセットで、ツーバスドコドコしなければいけない場面で
ミディアムテンポのシンバルレガートをどれほど芸術的にやったところで、
「ほしいのはそれじゃない」と言われてしまうでしょう。

相手がドラムに求めるものをくみ取る。
それを相手が要求する水準以上で提供できる。

このどちらが欠けても、プロフェッショナルではありません。

ちょっと長くなってしまったのでまとめましょう。

一番大事なことは、

お客さんが何を求めているか、
そしてそれに自分は応えられるのか。

これが判断でき、約束でき、かつ守れることです。

スキル量という物差しでプロを測ることが愚問だと言った意味が分かりましたか?

それにしても、なぜこんな勘違いが生まれてしまうのでしょうか。

それは、興味の対象、関心の場所にヒントがあります。

スキル量という物差しで自分を測る人=アマチュアは、
結局「自分が褒められることにしか興味がない」のです。

だから、条件という話になると、
自分目線の条件を持ち出してしまうのです。

プロは相手の要望と、それを自分がかなえられるか、に最大の関心があります。
そして、約束した以上、その結果に責任を持ちます。

つまり、「お金をもらえるほど、相手を納得させ、喜ばせられるか」に関心があるのです。

関心の場所がまるで違うのです。

自分を向いているなら、永久にプロの土俵に立つことはないでしょう。

お金を払ってくれる相手の要望に関心を持てるようになった時が、
プロと呼ばれるための「はじめの一歩」になります。

(はじめの一歩 = 必要条件だが、十分条件ではない)

あ、そうそう。

勘違いしないでほしいのですが、アマチュアはアマチュアでいいんです。

プロとアマチュアは関心の場所と約束(=責任)という部分が違うだけ。

「違う」=「異なる」だけで、「優劣」を言ってるのではありません。

繰り返しますが、ここ、絶対勘違いしてはだめです。

ただ、アマチュアの感覚のままでは、プロになれないし、
なったところでお互い(仕事を頼む側も、受ける側も)不幸になるっていうだけです。

ところで・・・これを読んでどれぐらいの人が怒ったんだろう?

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